【シロクマ式競馬コラム】母系から見るゴーフォザサミットのG1級能力

シロクマックスです。今回はゴーフォザサミットの血統について母系から掘り下げて見ていきましょう。この馬の母系はまったくめまいがするほど素晴らしいですね。このレベルのバックグランドのストームキャットの肌馬が日本に渡ってきたのは日本の生産の底力を根底から底上げするものなので、最高の投資と言えるでしょう。

今後ストームキャット系の肌馬にサンデーサイレンス系の種牡馬の配合は増えるます。詳しくは3章で書きます。血統ファンの方もゴーフォザサミットのファンの方も「へえ~」と言ってもらえる内容になっていますので、ぜひ読んでみてください。

コンテンツ

  • 母ラグジュアリーのセールスヒストリーと血統
  • ゴーフォザサミットの血統
  • サンデーサイレンス系Xストームキャット牝馬という黄金配合

 

母ラグジュアリーのセールスヒストリーと血統

ゴーフォザサミットの母ラグジュアリーは米国産ストームキャットの牝馬です。現役時代は未出走で繁殖入りです。

ラグジュアリーの母Alleged Devotionは77年、78年の凱旋門賞を連覇したアレッジド産駒の牝馬にして、欧州3歳チャンピオン牝馬Balanchineの半妹になります。この馬も未出走です。兄弟にこれだけ走った馬がいる場合、未出走という処遇は海外ではよく見かけるものですね。

レースに使って勝てないよりは、元から競馬に使わずに価値を保つというビジネスマーケティングです。Alleged Devotionの産駒に米G3勝ち馬、アイルランドG2勝ち馬がいます。その産駒からも重賞勝ち馬が多数でており、大変活気のあるファミリーといえます。

近親から欧州3歳チャンピオンがでているわけですから、大変価値のある血統です。その証拠にラグジュアリーは99年の米キーンランドセプテンバーセール(1歳セール)にて1ミリオン(約1億円)で落札されています。

バラシーンの近親のストームキャットの牝馬ですから、馬体を見たわけではないので、走りそうか、走りそうもないかはわかりませんが、血統的な価値だけで推察しても1億円は決して高い買い物ではありません。

それくらいストームキャットの牝馬は価値があります。(ストームキャットの種付け料は最高でプライベート扱い5000万円です)その後02年にお腹にPoint Givenを入れた状態でキーンランド繁殖牝馬セールで23万ドル、04年にお腹にStreet Cry(豪国最強馬WInxの父)を入れた状態で25万ドルでトレードされています。

この時のストリートクライの牡がストリートスパンという名前でJRAで走っていますから、25万ドルのトレードで日本にやってきたか、そこからさらに庭先売買で取引されて日本にきたことになります。

購入者の名前がエージェント名で正確にはわかりません。ストリートクライが入って25万ドルは今ならありえない価格です。3年目だったので、お買い得なショッピングといえます。初年度産駒のポイントギヴン産駒はまだ未勝利で、2年目は空胎ですから、ちょっと繁殖としての価値が下がった瞬間だったかもしれません。

ストリートスパンの馬主は藤田在子さん、ゴスホークケンのオーナーさんですね。ただしゴーフォザサミットの生産は矢野牧場となっていますから、今現在のラグジュアリーの馬主は不明です。

ゴーフォザサミットの血統

母系は上記の通り、めまいのするような豪華な母系です。さてゴーフォザサミットの5代血統表を見ると、目を引くのが代々母系に配合されてきた種牡馬です。

ストームキャット(米チャンピオンサイアー1999, 2000、チャンピオンブルードメアサイアー2012, 2013,2014)アレッジド(凱旋門賞連覇77, 78)、アファームド(米三冠馬)、そしてプリンス・ジョンです。リボー系の超名馬アレッジドに米三冠馬アファームドだけでもスタミナ、底力ともに満点の種牡馬で文句のつけようがありませんが、やはりカギはプリンス・ジョンでしょうか?

現代スピード競馬を陰で支える名血です。豪Winxの母父がプリンス・ジョンの末裔サクセスエクスプレスです。プリンス・ジョンの父プリンス・キロ系の種牡馬が母系から入ると必ず圧倒的なスピードが受け継がれます。

種牡馬フレンチデピュティの母父のホールドユアピースもプリンス・キロの末裔です。G1を7勝した欧州最強マイラーのロックオブジブラルタルも3代母父にプリンス・ジョンを持っています。アレッジドの母父もプリンス・ジョンですから、本当に母系から名馬を世紀をまたいで排出し続けている快速血統です。

補足:フレンチデピュティが母系から入ると強烈な切れ味がでます。レインボーライン、マカヒキがいい例です。クロフネでもOKです!馬券の参考にしてみてください。

また、スタミナを求めるなら5代血統表内にセクレタリアトの名前を探すとよいでしょう。セクレタリアトは

  • ストームキャット
  • ゴーンウェスト
  • エーピーインディ

の母父です。これらのスーバースタリオンがなぜスーパーになれたのか?なぜ単純なスピード種牡馬ではなく、万能型の種牡馬として血を広げたのか?答えはセクレタリアトにあります。

従って当然ストームキャット牝馬の子ゴーフォザサミットには自動的にセクレタリアトが入ります。4代前ですね。セクレタリアトは言わずと知れた米国競馬史上最強馬と今なお語り継がれる伝説の三冠馬ですね?

そこで、セクレタリアトの母父が見られるとよいのですが、そうここにもプリンス・キロの名前があります。6代前なので名前はありませんが、そこにいます。伝説のセクレタリアトを陰で支えています。

さらにラグジュアリーの母系にはアレッジド経由でプリンス・ジョンが2本入っており、結果ゴーフォザサミットは5代血統表内の母系でプリンス・ジョンの5X5、というかプリンス・キロの6x6x6…という遠いクロスを持っています。バラシーンのスピードはここに起源がありそうですね?

プリンス・キロというスピード血統のバックアップをうけつつも、アレッジド、アファームド、セクレタリアトといった2400mの王者の血が全面に押し出された迫力のある母系というわけです。もちろん母父ストームキャットからさかのぼる現代競馬の”始祖”にして”天才”ノーザンダンサーのスピードも忘れてはいけませんが、ノーザンダンサーはあまりにも広く血が繁栄しすぎて、もはや仏のような存在になってしまいましたね…

父のハーツクライの成績は割愛します。説明するまでもないでしょう。有馬記念で絶頂時のディープインパクトを破った名馬です。ルメール騎手の200点の騎乗が光ったレースでした。(ルメール騎手はレイデオロのダービーでも180点の騎乗をしました。世界最高の騎手ですね)

ハーツクライを語る時に避けて通れないのがトニービン譲りの脚の形の悪さですが、それはスワーヴリチャードの記事で書きましたので、よかったらご一読ください。ここでは、ハーツの母の母ビューパーダンスの父リファールに切り込んでみようと思います。リファールほど、気性の悪さが全面に出てしまう種牡馬もいないのでは?と思えるほど、リファールは圧倒的なギャロップ能力と共に気性の悪さも伝えます。

しかしその気性難と引き換えの瞬発力は素晴らしいものがあります。リファールの代表産駒は言わずと知れたダンシグブレーヴです。凱旋門賞史上もっともありえないエキサイティングな勝ち方をした馬と言われています。なんと追い込みで同レースに優勝した馬です。ラスト1Fで周りが止まって見える…ほどの切れ味でした。

その切れ味はディープインパクトを連想させるものです。ディープインパクトも母父アルザオを通してリファールの”恩恵”を受けています。ウィンドインハーヘアのディープ以外の産駒は気性がきつすぎてなかなか大成できません。兄のブラックタイドも無茶苦茶な気性の馬で有名でした。豊Jと出会っていなければ、ディープも大成できたのか疑わしいくらい、ウィンドインハーヘアの子供たちは気性がきついです。

ディープは豊Jの技なくしてあの成績はないでしょう。なぜならアルザオからして気性難がひどすぎて種牡馬として用無し烙印をおされた馬です。アルザオはリファールの悪い部分が出過ぎました。他にリファールと言えば、JC勝馬レガシーワールドの父モガミが日本ではなじみがあるでしょうか?レガシーワールドも気性がきつく、去勢された後にJC制覇した馬ですね。

リファール系はなにげなく、フランスのリナミックス、サガミックスのラインのみが唯一リファールのラインを受け継いでいるはずです。後は途絶えてしまいましたね。

ちょっとこぼれ話です。覚えている人はあまりいないかもしれませんが、90年代にナリタブライアンの大久保正厩舎にリファール産駒のセイントリファールという外国産馬がいました。気になったらネット競馬で検索してみてください。確かにいました。その馬も豊Jで最高方から追い込んですごい切れ味でしたね。

OPまで出世しましたが、今だったらオーストラリアに移籍するなどして、向こうで重賞勝てたかもしれませんね。今ぱっと見たところ、2代母がカトンカですから、レガシーオブストレングスの近親です…スティンガー、現役だとレッドファルクスの近親だったんですね。母系も良血でもったいない…JRAだけではレースが足りないと思いませんか?

話を戻します。ハーツの場合はそんなリファールの血を受けつつ、これまたうるさい気性で有名だった凱旋門賞馬トニービンまで抱えてしまう…という狂気じみた血統構成です。怖いですね!しかし走ります。名血は常にキツイ気性と隣り合わせです。

サンデーサイレンスからして、気性はけっしてマイルドではありませんから、結局名馬、名血は常に気性がキツイ、荒いのは歴史的に当然の事なんですね。彼らは戦士なのですから、猫みたいな気性で勝てるわけありませんし、やんちゃな気性で当然なのかもしれません。

それにしても、ディープインパクトもハーツクライも母系からリファールという爆弾を受け継いでいるのは面白いですね?ハーツクライはそれ+トニービンで、この先どうなってしまうのでしょうか?

サンデーサイレンス系Xストームキャット牝馬という黄金配合

 

この配合は当分の間圧倒的に結果にコミットする配合となるでしょう。代表的な活躍馬にキズナ、スタディオブザマン(ディープインパクト産駒のフランスダービー馬)、アユサン(桜花賞)、ラキシス(エリザベス女王杯)そしてこのゴーフォザサミットもそうですね。

ゴーフォザサミット以外ディープインパクトですが、ここはひとつ広げてサンデーサイレンス系としてみました。ストームキャット自身はブリーダーズカップジュベナイル2着、2歳G1に優勝したぱっと見早熟なスプリンターなんですが、種牡馬になってからは完全に万能型です。

父としてもジャイアンツコーズウェイを始め108頭のステークスウェイナーを排出、前述のとおりチャンピオンサイアー2回、チャンピオンブルードメアサイアー3回のスーパースタリオンでした。絶頂時の種付け料推定5000万円はサドラーズウェルズを超える超高額設定でした。種牡馬としての万能性はやはり母系のセクレタリアトの影響が大きく、スタミナを補完することが可能です。

サンデーサイレンス系ではありませんが、ロードカナロアもストームキャットの肌馬にキングカメハメハでした。ワグネリアンの記事で書きましたが、キンカメ自身、母系のラストタイクーンからミルリーフの血を引くなど、そもそもキンカメが距離万能ですね。なのでロードカナロアは2400mでもやれたはずです。競馬しなかっただけです。

サクラバクシンオーと同じ事です。

サンデーサイレンス系との相性の良さから、今後ストームキャット系の肌馬が日本に輸入されることは間違いないでしょう。

また、社台SSがアメリカからドリフォンを購入したのもまさにそれが狙いのはずです。つまり逆配合です。ストームキャット系種牡馬とサンデーサイレンス系繁殖牝馬ですね。

今サンデーサイレンス系と配合可能な種牡馬の代表はキングカメハメハ、ルーラーシップ親子、ハービンジャー、などです。モーリスですら母系に既にサンデーサイレンスが入ってしまっているんですね。日本にはストームキャット系の種牡馬はいませんので、ドリフォンのみとなります。

ドリフォンはストームキャット系テイルオブザキャット経由、ジオポンティ産駒の快速馬でした。筆者はジオポンティの大ファンでしたから、ドリフォンが日本に買われたと知った時はだいぶショックでしたね。

ドリフォンは種牡馬としての成功のジンクスがある米ビショップS、フォアゴーSの勝馬にしてブリーダーズカップスプリントの勝馬でもあります。1200m~1400mで圧倒的、爆発的スピードでぶっちぎる競馬をした韋駄天です。

ドリフォンのフォアゴーSは圧巻のパフォーマンスですので、一度レースを見ておくことを強くお勧めします。1400mのG1を逃げて5馬身以上ちぎる馬はなかなかいません。t短距離で5馬身以上の差が付くことがそもそも珍しいわけで。異常な強さと言えます。

 

Breeder’s Cup World Champions published on 26th Aug 2017

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